
2025年4月に改正物流二法の一部が始まったとたん、2025年6月にトラック2法の改正が可決され、再び数年後の施行に向けて体制整備を進める必要が生じました。
このほか、残る来年4月施行の改正物効法や下請法の見直しなど、近年は法改正が相次ぎ、スケジュール整理に苦労されている方も多いのではないでしょうか。
2023年10月頃から注意喚起がされ始めていましたが、近年は、これまで規制が比較的緩やかだった荷主にも求められる対応が増えています。
そこで今回は、2024年問題の解決に向けて組織された「トラック・物流Gメン」について解説します。
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向けの記事となっています。
2023年6月2日、「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」で取りまとめられた「物流革新に向けた政策パッケージ」に基づき、2023年7月21日に「トラックGメン」が創設されました。
発荷主企業のみならず着荷主企業も含め、適正な取引を阻害するおそれのある荷主企業・元請事業者の監視を強化し、調査結果を貨物自動車運送事業法に基づく「働きかけ」「要請」等に活用することで、実効性の確保を図っています。
2024年11月1日には、「トラックGメン」を改組し、物流全体の適正化を図る観点から「トラック・物流Gメン」として体制を拡充。倉庫業者からの情報収集も行い、総勢約360名規模で持続可能な物流の確保に向けて着実に対処しています。
トラック・物流Gメンは、トラック担当と倉庫担当のチームが連携し、荷主に対して是正指導を行う組織です。
貨物自動車運送事業法附則第1条の2に基づき、悪質との情報提供があった荷主等に対し、軽い順に「働きかけ」「要請」「勧告・公表」を行います。
荷主に独占禁止法違反の疑いがある場合は公正取引委員会に通知され、同委員会が対応します(公正取引委員会は、物流特殊指定と下請法を運用し、物流全体の公正な取引を推進します)。
トラック・物流Gメンは下記URLにウェブサイトを設置しており、オンラインでも情報提供を受け付けています。
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk4_000116.html
このウェブサイトからは各地方運輸局の活動実態を閲覧できます。
トラック・物流Gメンはこれまで
の実績があります。
違反件数の割合(上位)は次のとおりです。
トラック・物流Gメンが行っているのは「行政指導」です。
行政指導とは行政手続法第2条6号に規定される「行政機関がその所掌事務の範囲内で一定の目的を実現するため、特定の者に『させる/させない』を求める指導、勧告、助言その他の行為」を指します。
すなわち、悪質事業者に対して違反行為の是正を求めるものです。
行政指導自体に法的拘束力はないので、協力するか否かは任意です。もし指導が違法と思われる場合は「行政指導の中止」を求めることもできます。
もっとも、「「適正な指導を無視した場合」や「フォローアップを継続し、改善が図られない場合」は、後続手続きとして法的措置の実施も含め厳正に対処する」と明言されています。重大化する前に、早めに手を打つことが賢明です。
2025年8月1日から1か月の間、トラック・物流Gメンの行政指導ガイドライン策定のためのパブリックコメントが実施されています。
案では、
国も効率化のため、従来の商慣習の見直しを進めてきました。規制は実運送事業者だけでなく、いよいよ荷主にも及ぶようになりました。
いま物流制度は法改正が重なり、大きく変わろうとしています。情報は積極的に取りにいく必要性が一段と高まっています。自社は良くても取引先は大丈夫か、委託先の情報管理も求められています。
いま、荷主企業や倉庫事業者には、特に
が求められています。
毎月、国土交通省トラック・物流荷主特別対策室主催の「トラック物流問題解決に向けたオンライン説明会」が開かれています。
この説明会では、物流事業者の問題意識等の事前・事後アンケートが実施されています。
最近では、荷主事業者のほうからも協力するにも悲鳴が上がり始めているのが確認できます。
そんな状況を打開する一助となるよう、改善事例紹介も増えてきました。
そのほか、最新の法改正状況や事業者の義務の解説が行われ、アーカイブ動画も公開されています。
時間があるようでしたら、運輸局のウェブサイトから視聴をお勧めします。
また「2025年4月から施行された物流改正法を踏まえ、物流効率化及び多重下請け構造の是正に向けた取引環境の適正化のための取組等を行うことの必要性について、適宜、説明会等(WEBによるものを含む)を実施する予定」ともあります。これらの説明会を活用し、最新情報を確実に把握していくことが重要です。
いま荷主に求められていること(大分類)
・取引書類の交付
・適切な取引
・荷待ち時間の短縮(2時間以内)
限られた資源の中で対応するのは容易ではありません。知らないことは専門家に聞くという選択肢もあります。
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