一般貨物の役員法令試験の概要(中国運輸局管内)
一般貨物自動車運送事業の新規許可申請をすると、隔月に1回行われる貨物自動車運送事業法令試験・いわゆる役員法令試験を受験し、合格する必要があります。
中国運輸局(管内:岡山運輸支局)の場合、原則として奇数月の第4水曜日に実施されます。
受験者は1申請につき1名のみ。申請者が個人である場合は申請者が、法人である場合は許可又は認可後、申請する事業に専従する役員となっています。
受験のチャンスは2回までとなっていて、2度目の試験に不合格になると申請が却下される、つまり不許可になってしまいます。そのため試験対策は必須になってきます。
試験内容は次のとおりです。
・問題数 30問 (1問の中に複数の選択肢を回答する問題もあるので、正確には30回答になります)
・出題形式 〇×選択式
・試験時間 50分
・出題範囲 13の法令条文から出題
・合格基準 正答率8割以上 (24問以上の正答)
試験会場には参照するための法令集が準備されていて、分からなければ法令集を引くことができます。
どの月に受験することになるかは申請書を提出するタイミングで決まります。
偶数月の末日までに申請した場合は翌月に試験となり、奇数月に申請した場合は翌奇数月に試験になります。
役員法令試験の内容は? 難易度は?
役員法令試験を行うことは許可申請の審査基準に定められているので、どの運輸局に申請しても共通して行われます。
そして出題範囲も共通です。これは運輸局や国土交通省のウェブサイトで確認できます。
しかし全国同じ月に行われるといっても、岡山県であれば中国運輸局、香川県であれば四国運輸局といった具合に、地方運輸局ごとに試験問題は異なります。そのため問題の出題傾向も難易度も、地方運輸局ごとに異なります。
運輸局のホームページには令和1年11月に行われた試験から過去問が公開されているので、それを用いて受験対策をすることができます。
難易度は運行管理者試験よりも簡単
わたしは運行管理者試験(貨物)を受験し、合格しています。また、法令試験対策セミナーを行うために平成31年1月試験から最新までの中国運輸局と、四国運輸局の役員法令試験を解いた経験があります。
そのうえで役員法令試験の難易度についてですが、「難しくないけれど人による」としか言えません。
というのも、法律の文章に慣れているか? 法令集を引くことができて確認することができるか? によって難易度が随分変わる。そのように感じています。
ただ、運行管理者試験の受験経験がある方であれば、心理的なハードルはグッと下がるはずで、「難しくはない」と言うことができます。
なぜなら運行管理者試験と違って、一問一答式の〇×問題です。そして試験時間中、分からなければ用意されている法令集を引いて確認することができるからです。
難しいのは、「出題されている問題が、13の法令のうちどれが該当するか分からなければ確認することができない」ことにあります。また運行管理者試験とは少々出題範囲が違うので、ある程度、役員法令試験の過去問を解いてみて正確な知識を入れておくことが必要になるでしょう。
さて、役員法令試験の問題ですが、難易度は次の3つに分けられます。
難しい:法律の知識がないと正しく判別できない問題
普通 :過去問で勉強していると判別できる問題
易しい:常識的な社会通念に照らして判別できる問題
です。